人間福祉学科 ニュース&トピックス

社会福祉士・精神保健福祉士 実習報告会 開催

平成22(2010)年 10月28日(木)・11月4日(木)、人間福祉学科で、「社会福祉士・精神保健福祉士 実習報告会」を開催いたしました。

今回の実習報告会では、実習に行った人間福祉学科(社会福祉実習は3年生、精神保健福祉実習は4年生)の学生の中から、代表の学生を選び、後輩の学生(2年生および3年生)に向けて、実習の意義や学びについて報告しました。

現場の仕事を通して感じた福祉の問題や、そこから学んだり心に残った出来事などの発表に、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。

■ 受験生・保護者の皆様へ
社会福祉士および精神保健福祉士資格を取得し、社会福祉従事者になるためには、社会福祉関係施設で実習を行うことが必要になります。 社会福祉関係施設が児童養護施設や、障害児・障害者施設、社会福祉協議会等だけではなく、病院や行政機関、一般企業にも福祉の考え方が広がっています。
本学では、実習支援体制を整備することによって、社会福祉従事者になるため、また一人の社会人として成長するためのサポートをしております。

■ 採用ご担当者様へ
徳島文理大学保健福祉学部人間福祉学科では、建学の精神である「自立協同」の下で、将来の福祉従事者として必要な自立の考え方、また他者を重んじる力を養成しています。
現場実習は、将来の人材育成として重要になっております。 社会福祉および精神保健福祉分野の皆様には、引き続き、本学の教育をご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。
また、福祉の考え方は、社会福祉および精神保健福祉分野に通じるだけではなく、近年の企業活動におけるCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環としての地域貢献に役立つため、「企業活動におけるCSRは社会福祉の一領域として成り立ち得る」と認められています。 企業関係者の皆様におかれましては、本学科を卒業する学生を積極的に採用していただけますよう、よろしくお願いいたします。

実習先 児童養護施設<3年生 社会福祉士実習>

甘え方や怒り方を知らないのでは?と感じる子供もいて、そういう子供への対応は難しかったし、同じ子でも、いつも同じ対応ではうまくいかないということも痛感しました。

子供たちから暴力的な言葉が出ても、それがその子供のコミュニケーションの取り方だという捉え方をして、対応しなければならない。 自分自身のこととして、深く考えさせられました。

[担当教員より]

先輩から事前に実習内容や実習先施設の状況等の情報収集を行い、実習に対する不安感を払拭し、実習に臨んだ。
実習では、その知識をベースに、汗みどろになりながら、子ども達とかかわり、また、現場職員と語らい、施設の暮らしのいぶきを肌で感じ取る事ができたようである。
この事が、今後の本人自身の成長の糧になっていくと思われる。

子供達には個々に個人差や個性があり、一人ひとりに合わせて話をしたり、支援を行っていくことの大切さを再認識しました。

自分から積極的にコミュニケーションを取っていかないと子供達とよりよい関係を築くのが難しいことや、職員の方との人間関係についても大切だと感じました。

[担当教員より]

初めて施設現場を知る経験であり、日々の授業とは違う緊張感とそれを上回る不安感を持って実習に臨んだ。
しかし、通園施設での子ども達のかかわりを通じて、子ども達自身の課題や保護者の悩みに直接触れる事により、福祉施設での仕事の醍醐味を実感として味わう事ができた様である。 この事が、今の本人の学習意欲の向上につながっていると思われる。

実習先 社会福祉協議会<3年生 社会福祉士実習>

職員の方だけでなく、地域住民の方々の福祉に対する意識の高さと熱意を肌で感じることができました。

特に民生委員・児童委員協議会の定例会に同席させて頂いた際、「どうすれば地域の人々が安心したより良い暮らしができるか」について協議し、ひとりひとりの住民を思いやる気持ちがあってこそ、福祉が成り立つということを再認識しました。

「実習をさせていただいている」と言う意識を持ち、実習を受け入れてくださった職員・利用者の方々に対して感謝の気持ちを持って実習に臨むことも大切だと感じました。

[担当教員より]

社会福祉協議会での実習は、これまで経験した施設での体験実習とは違う未知の領域での実習であり、また、地域福祉を中心に幅の広い知識を要求されることから、事前学習の相当の力を入れて取り組んだ。
実習においては、様々な苦労があったが、この努力が報われ、実習先から非常に高い評価を得る事ができた。
同時に、本人自身が地域福祉を意識した職場で働く面白みを見いだせたのではないかと思う。

実習先 特別養護老人ホーム<3年生 社会福祉士実習>

利用者の方々にも様々な個性があるため、対話のタイミングやジェスチャーなど、一人一人に適したコミュニケーション技法で、利用者との関係を深めるように努力しました。

職員の方の言動を観察し、自分の援助の参考にしました。自分自身からも指導者に質問することで、自らの知識と技術をより向上させるように取り組みました。

[担当教員より]

実習に行く際、大学では「職員の技術を学び、援助につなげる」といった抽象的な目標を設定していた。 しかし、その抽象性があったが故に、高齢者福祉施設においての実習で、職員の指導を純粋に受けることができ、実習生として、また将来の社会福祉従事者として成長していったと考えている。 実習を通じての本人の成長は、目を見張るものがあった。今後に期待したい。

実習中は、利用者の言動一つひとつに注目し、「どうしてこのような行動をとるのか」「なぜこのようなことをいうのか」等、常に疑問を持ち、案を考えることで、利用者にとってより良い生活に近づけていくように援助しました。

職員の方からも、利用者のことを良く見ていて、それを援助に生かしていると言っていただき、自分に自信が持てました。

[担当教員より]

1つ1つ自らの考え方を整理して、物事に取り組むタイプの学生である。 したがって、実習は自らの課題を整理し、目的意識を持って実践することができたと考えている。 実習を通じ、当該学生は、自らは将来の社会福祉従事者になり、常に適切な援助を心がけるという意志を強く持ったと思う。

実習先 障害児・障害者施設<3年生 社会福祉士実習>

利用者の方々とのコミュニケーションを図る際、最初は言葉が聞き取れず、ほとんど会話をすることができませんでした。

利用者の方の伝えたいことを少しでも理解しようという気持ちで傾聴することで、だんだんとコミュニケーションを図れるようになっていきました。 傾聴することの大切さを学びました。

[担当教員より]

利用者の方々を中心とし、利用者の方々一人ひとりに合った支援を行うためには、施設の全職種の方々や、他機関との連携が必要不可欠ということをまず学びました。 また、最初戸惑いもありましたが、傾聴することに徹し、少しずつコミュニケーションを図ることができ、こちらの思いも徐々に理解していただけるようになりました。 現状と制度の矛盾等も体験しました。施設での実習のまとめ会では、実習指導担当者からよい評価をいただきました。

一番印象に残ったことは、職員の方と子どもの関わり方です。 入所している児童の多くが虐待を受けていたり、家庭に問題がある子ども達でした。

虐待がいかに子どもの人生を狂わすかを改めて思い知らされ、子どもにとって「親」「家庭」という存在がどれほど大きく大切なものかを学びました。

子ども達は職員の方のことを〇〇さんと呼んだり、職員の方は子ども達を愛称で呼んだりしていて、先生と生徒というより、まるで親子のような関係に思いました。 悪いことをした時は職員の方は本気で叱り、甘えてきた時にはたくさん甘えさせてあげているのが一番印象に残っています。

[担当教員より]

障害のある子どもたちといい係わりができました。 実習現場では、厳しいこともあり、楽しいことも体験しました。 個別支援計画の作成では、一人のケースを担当し先生方からのアドバイスを活かし、中身のある計画ができました。 実習指導担当者からは、子どもたちとの関係がとてもスムーズであったことや、実習日誌がよく記入できていたことなどお褒めをいただきました。

実習先 病院<3年生 社会福祉士実習>

MSW(医療ソーシャルワーカー)の業務の幅広さを再認識しました。
人間関係から細かい書類の整理まで一つ一つが大切で、職場では一番オールラウンドに動かなくてはいけないということを痛感しました。

今回の実習で初めて患者様の死というものを体験して「死」との向き合い方や末期の患者様との付き合い方などを改めて考えさせられました。

情報収集などを行うにあたって患者様へのプライバシーへの配慮や本人からの情報の聞き取りの難しさ、秘密保持の重要性を感じました。

[担当教員より]

普段、大学では学習することの少ない病院での実習でしたが、地域医療の最前線でソーシャルワーク(相談援助)を学んだ4週間は、今後の人生に少なからず影響を及ぼす体験となったようです。

実習先 精神科病院<4年生 精神保健福祉士実習>

患者様が今までどのように生きてきたのかを教えていただくという姿勢で、信頼関係を築き、隠されたニーズを導きだすことが大切だと感じました。
また、患者様の本当のニーズを理解し、支援していくことの難しさも感じました。 そして、患者様を取り巻く環境にも焦点をあて、支援していかなければならないと思いました。

精神保健福祉士の実習生としてだけではなく、一人の人間としても大きく成長できた実習でした。
特に、クライアントやメンバーから大切なことを教えていただき、感謝の気持ちで一杯です。
また、他職種の方にも積極的に話しかけ、異なった視点から物事を考察することも必要だと感じました。

[担当教員より]

精神障害は、病気と障害によって生活に支障が生じます。
2人は、その障害を持った人の病いや、社会の偏見などの苦しみに寄り添い、共感し、ソーシャルワーク(相談援助)の本質を体験しました。
彼らの報告は、聴く人の心を揺さぶるものでした。

社会福祉実習担当者連絡協議会 開催

社会福祉実習担当者連絡協議会を開催しました。
医療ソーシャルワーカーや保育士など、社会福祉実習施設の担当者に参加いただき、今年度の実習報告や、来年度に向けての実習時期や人数・内容など話し合いました。

【日時】

平成22(2010)年10月26日(火)
15時30分〜17時00分

【場所】

徳島文理大学 3号館10階ゼミ室1

【出席者】

・阿波国慈恵院
・希望の郷
・博愛記念病院
・徳島市地域包括支援センター
・阿波老人ホーム白寿園
・青香福祉在宅介護支援センター
・徳島市社会福祉協議会