英語の授業から

プログラムというカタカナ語は難しい

テレビ番組は英語で a TV programだ、と授業中は一瞬で説明してしまうのですが、このプログラムというカタカナ語は、あまりに日本語として定着していて改めて考えることもないものなので、逆に厄介です。普通、プログラムは音楽会の上演リストのように、〇〇の曲の次には△△の曲だな、とわかるような予定表のことなので、a TV programはテレビ予定表、すなわち新聞などのテレビ欄なのか?と考えてしまうので、どうもしっくりこないのです。実は、programも番組も、予定表全体(テレビ欄全体)の他、予定表の特定の一枠にある演題を示し、日常的な使われ方としてはこちらの方がむしろ主流です。例えば、次のプログラムは〇〇の演奏となります、とか、好きなテレビ番組は何?とか質問する場合がそうです。ところで、日本語の辞書では、番組を、演芸や映画の組み合わせや順序のこと、と説明しています。すなわち、順「番」の「組」み合わせ、すなわちプログラム(予定表)というものが番組の語源なわけです。他に、「このプログラムは大学2年生のニーズに合っています」などにみられる英語のprogramは、教育課程(や講座やカリキュラム)と訳すのが適切ですが、これも、元の意味ではどの時点で何を教えるかを示している「予定表」だ、と解釈すれば理解がしやすいでしょう。コンピュータ関連でしょっちゅう耳にするprogramming やprogrammerも、機械が意図した通りに作動・機能するような予定表を打ち込むこと、また、その打ち込みをするヒト、ということなのだ、と考えられるわけです。英語のprogramの接頭辞pro-は前方、これから先、といった意味ですから、予定表というペタな日本語訳を常に頭の片隅に入れておけば、さまざまなprogramの解釈に困らないでしょう。

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