フィジカルアセスメント研修会報告

2014/09/01
7月27日、8月31日の2日間、徳島県訪問リハビリテーション研究会の主催でフィジカルアセスメント研修会(「利用者の病状変化に気づくためのアセスメントスキル」
-呼吸器・循環器系のアセスメントを中心に-)が開催されました。
この研修会を企画した理由は、昨年「訪問リハ実践における健康度および病状把握に重要な訪問リハビリテーションアセスメント(以下,visiting rehabilitation assessment:VRA)項目に関する調査」を実施した結果、訪問リハ従事者は,、内臓障害を合併する利用者を多く経験しているにもかかわらず、呼吸器系のアセスメント(呼吸音,胸部触診,胸部打診など)、循環器系のアセスメント(頸静脈怒張,心尖拍動,腹部触診など)の知識や実施度、必要性の認識が乏しいということが明らかとなったことが始まりです。
ある報告では、循環器疾患の救急搬送者は2015年には140%、2030年には170%まで増加すると報告されており、急救命センターに運び込まれた患者状況は、心肺停止、脳血管障害、頭部外傷、呼吸不全、急性腹症などが多いとの報告があります。
 これらのことから,在宅や介護施設において急病などにより救急搬送される高齢者、特に循環器・呼吸器疾患罹患者や悪性腫瘍などの終末期の症例が増加すると予測されます。
よって訪問リハ従事者が担当利用者の健康状態や病状把握を適切に実施し、急変の予見や事故の予防、対応能力の向上を図るための方法論を確立することが急務であると考え、本研修会の企画に至りました。

今回参加していただいた訪問リハ従事者は40名で、7月27日にはⅠ.訪問リハ時の事故・急変の現状、Ⅱ.訪問リハに必要なフィジカルアセスメント、Ⅲ.病状変化に気づくためのフィジカルイグザミネーション1(血圧、脈拍、呼吸音、心音、酸素飽和度など)、Ⅳ.病状変化に気づくためのフィジカルイグザミネーション2(頸静脈怒張、心尖拍動、呼吸状態、心電図など)を実施し、8月31日にはⅤ.訪問リハにおける病状把握とその後の判断(グループによるペーパーシミュレーション、Ⅵ.訪問リハにおけるフィジカルイグザミネーションの実践と病状判断(機器またはシミュレーターを用いたシミュレーション)を行いました。講義のみではなく、グループワークや実技・シミュレーションを取り入れることでとても充実した研修会となり、参観者の方々からの満足度も非常に高いものとなりました。
今後はより充実した研修会となるよう、皆様のご意見を参考に改善してまいりたいと思います。
また今回の研修は研究の一環として行っていることもあり、皆様には今後もアンケートなどの継続した調査にご協力いただくこととなります。
お忙しいところ恐縮ですが、引き続きご協力いただけますようお願いいたします。

※本研究会は「徳島文理大学特色ある教育研究事業」による助成を受けて実施しています。 
































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