インフルエンザ・ウィルス RNAポリメラーゼPB2の構造とそのRNA結合

2009/01/31
徳島文理大学・薬学部、葛原隆(教授)、健康科学研究所・津下英明(教授)により明らかにされた研究成果「インフルエンザ・ウィルス RNAポリメラーゼPB2の構造とそのRNA結合」に関する論文が、アメリカ生化学会誌The Journal of Biological Chemistry誌の記事として1月15日にオンライン掲載されることになり、ここにプレスリリース致します。

 インフルエンザは現在、世界的大流行の可能性があり、その場合には多数の死者が出ることが危惧されています。そのためインフルエンザは人類にとって一つの脅威となっています。インフルエンザはインフルエンザ・ウイルスによって引き起こされる病気で、ウイルスが有する酵素RNAポリメラーゼによってインフルエンザ・ウイルスの複製が行われます。(酵素はアミノ酸が結合してできたタンパク質でできています。)この酵素はインフルエンザが強毒性を発揮するアミノ酸を有する型と弱毒性のアミノ酸を有する型があり、その原因を特定することは、強毒型のインフルエンザの治療にあたって重要な局面になりうると考えられます。私どもの研究グループでは、インフルエンザ・ウイルスの複製酵素の内、毒性発揮に関与する領域の立体構造(3次元的な形)を解明し、強毒型ではRNA(遺伝物質の一つ)に強く結合し、弱毒型ではRNAとの結合が弱いことを見いだしました。
発表雑誌: アメリカ生化学会誌The Journal of Biological Chemistry誌
題: Structural basis of the influenza A virus RNA polymerase PB2 RNA-binding domain containing the pathogenicity-determinant lysine 627 residue
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