ウェルシュ菌毒素のアクチン認識機構を解明、PNASに論文発表
2008/05/23
健康科学研究所,津下らの論文が米国科学アカデミーの5月19日電子版で掲載され、 特に興味深いtopicだけが選ばれるThis Week in PNASで紹介されました(http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=2396718)。Clostridium perfringens iota 毒素はアクチンを標的にADPリボシル化する毒素として知られています。今までに毒素の構造はX線結晶構造解析によりわかっていましたが、その機能についての詳細は基質タンパク質との複合体の構造が得られていないために不明でした。今回の研究により、iota 毒素のADPリボシル化ユニットであるIaとアクチンおよび非水解性のβTADとの複合体の結晶を用いて、その構造をX線結晶構造解析により明らかにしました。この結果、毒素とアクチンの認識機構およびArg177の特異的ADPリボシル化機構が解明されました。さらにサルモネラ菌での感染に必要な同機能毒素SpvBでのアクチン認識機構が推定され、阻害剤の開発に重要な知見を得ました。本研究は徳島文理大学のオリジナルな研究であり、薬学部櫻井教授、永浜準教授、西澤教授等の研究室との共同で行ったものであります。
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